【ポール・メイエ インタビュー】エスケシュを演奏するのは大変ですが、同時に大きな喜びです
2023.10.25
アーティストインタビュー

【ポール・メイエ インタビュー】エスケシュを演奏するのは大変ですが、同時に大きな喜びです

第146回定期演奏会はクラリネットの名手ポール・メイエが指揮者、ソリストとして登場!メイエに献呈されたエスケシュの作品など、演奏会の聴きどころを伺いました。

――パンデミックが始まった2020年3月の定期演奏会がキャンセルとなり、今回はその公演で予定されていたエスケシュのクラリネット協奏曲の日本初演(メイエに献呈)が、ついに実現します。
はい、同じプログラムで私を招待してくださったのは本当にすばらしいことで、心から感謝しています。PACとは9年前の室内オーケストラ公演で、吹き振りで共演していますが、若く好奇心にあふれたすばらしいオーケストラです。彼らは新しい作品を発見する喜びやモチベーションにあふれ、私を刺激してくれます。

——エスケシュの作品の魅力を教えてください。
彼は今、ますます国際的な注目を集める作曲家です。ピアニスト、オルガニストとしてもヴィルトゥオーゾで、多彩な才能の持ち主です。オルガニストならではの即興の能力にも長け、ポリフォニックな音楽に精通しているところがこの作品には生かされています。美しい緩徐楽章やさまざまなキャラクターが顔を出す終楽章、クラリネットの技巧的なパッセージが楽しめる作品です。私を想定してテクニック的にチャレンジングな曲を書いてくれたので、演奏するのは大変ですが(笑)、同時に大きな喜びを感じます。

——ドビュッシーとあわせて演奏することで、フランスの作曲家の伝統も感じられそうです。
はい、その通りです。「クラリネットのための第1狂詩曲」からは、感情や印象といったドビュッシーのすべての美点が感じられます。そしてやっぱり技巧も求められます。2曲をあわせて聴くことで、イメージがいわば反射し合うのを感じるでしょう。どちらも現代的でフレッシュな作品です。

——メイエさんがクラリネットであれほど多くの質感や色を表現できるのはなぜでしょうか。
私は子供の頃からクラリネットが大好きでしたが、同時に他の楽器に嫉妬していました。常に、フルート、トランペット、ヴァイオリン、ピアノのような音が出してみたいと思い、それを目指して表現してきたのです。指揮をするようになって、その感覚はますます発展したように思います。クラリネットには、カメレオンのように変化する能力があるのです。
エスケシュの想像力は広大ですから、彼の作品ではそんな可能性の探りがいがあって、とっても楽しいですよ。

インタビュー・文:高坂はる香(音楽ライター)

《プロフィール》

ポール・メイエ(クラリネット)
名実共に世界のトップに立つクラリネット奏者。1965年アルザス生まれ。13歳でソリストとしてデビュー。パリ高等音楽院とバーゼル音楽院で学ぶ。フランス国内外のコンクールで優勝後、84年NYデビュー。完璧な技術とずば抜けた音楽性、品の有る豊かな音色を併せ持つ天才クラリネット奏者としてベリオ、ペンデレツキを始めとする数多くの作曲家達から曲を捧げられ、多数のレーベルからCDが発売されている。
室内楽にも意欲的に取り組み、クレーメル、ヨーヨー・マ、ロストロポーヴィチを始めとする世界の一流奏者と共演。エマニュエル・パユ、オーボエのフランソワ・ルルー等現代最高のフランスの木管奏者達とスーパー・アンサンブル、「レ・ヴァン・フランセ」を結成。
指揮者としてのキャリアも着実に築き、ソウル・フィル准首席指揮者、東京佼成ウインドオーケストラ首席指揮者を経て、2019/20シーズンにはマンハイム・プファルツ選帝候室内管弦楽団の首席指揮者に就任。
使用楽器はBUFFET CRAMPON Divine


兵庫芸術文化センター管弦楽団 第146回定期演奏会
ボナート×メイエ 極上のフランス音楽(★は当初発表より変更)
【日時】2023年1117日(金)・18日(土)・19日(日)各日3:00pm開演
【会場】兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
【指揮・クラリネット】ポール・メイエ 
【指揮】阿部加奈子(エスケシュのみ) 
    管弦楽:兵庫芸術文化センター管弦楽団

【曲目】ドビュッシー:クラリネットのための第1狂詩曲
    エスケシュ:クラリネットと管弦楽のための協奏曲
    ビゼー:「アルルの女」組曲 第1番・第2番
    ラヴェル:ボレロ
チケットのご予約・公演詳細はこちら